レトルト食品は、温めるだけで簡単に食べられ、保存食として役立つことでも人気がある、一般家庭に浸透している食品の一つです。
都給食でも、消費者のニーズに応えるべくレトルト事業を展開し、さまざまな商品の開発に努めています。
ただ、なぜ常温での保存が可能なのか、食中毒などのリスクはないのかなど、安全性についての疑問を抱いている人は少なくありません。
この記事では、レトルト食品を安心して食べるためにも、レトルト食品の殺菌方法やパウチの仕組み、さらに安全性などについて、詳しく解説します。
目次
レトルト食品は常温保存OKのなぞ
レトルト食品は、冷蔵庫や冷凍庫に入れなくても、常温での保存が可能です。
では、なぜ常温保存が可能なのか、その理由から見ていきましょう。
保存料や添加物は使われているのか?
レトルト食品は、長期間の保存が可能なことからも、保存料や添加物が使用されていると思っている人がいるかもしれません。
しかし、レトルト食品が属している「容器包装詰加圧加熱殺菌食品」は、食品衛生法によって、保存料や殺菌料などの添加物の使用が禁止されています。
つまり、保存料や添加物など、人工的な薬物は一切使用されていない食品です。
レトルト食品は、製造する際に加圧加熱殺菌をしています。
レトルト殺菌装置に入れて、120℃以上かつ4分以上に渡って高温高圧にすることで完全殺菌ができ、菌検査を重ねているため安全性が保証されています。
熱水や蒸気などを用いて加熱をする、環境も特殊なレトルト殺菌装置を使うことで、さまざまな細菌の殺菌ができるのです。
レトルトパウチと呼ばれる容器に食品を充填してから、特殊な方法を用いて殺菌しているため、常温保存でも日持ちするようになっています。
加圧加熱殺菌によって安全性が保証され、保存料や添加物を使用しなくても常温での長期保存が可能な、安心して食べられる食品です。
レトルト食品の殺菌方法とは?
常温での保存が可能なレトルト食品は、特殊な装置を使用して殺菌しています。
どのような細菌を死滅できるのかとあわせて、殺菌方法について説明します。
どんな細菌を殺せるのか?
レトルト食品は、次のような工程で殺菌されて作り出されます。
1、原材料のチェック
2、調理した食品をレトルトパウチに詰めて密封
3、レトルト殺菌装置に入れ、高温高圧で120℃で4分以上加熱殺菌
4、殺菌後の製品を抜き取り品質検査
5、殺菌後は速やかに常温へ冷却
高温高圧の状態にすると、食中毒の原因や食品を腐敗させる真菌などの細菌が死滅できます。
食中毒を引き起こす大腸菌のO-157はもちろん、120℃で4分以上、高温高圧で加熱殺菌することで、食中毒の菌の中でも毒性が強く、最も耐熱性が高いボツリヌス菌の殺菌も可能です。
大腸菌のO-157や、その他の多くの病原菌や食中毒菌は、高温に耐えられる耐熱性が低いため、1分間加熱をすることで死滅します。
しかし、基本的に必要なのは、食中毒になると致死量が高くて治療も困難だと言われている、ボツリヌス菌の殺菌です。
ボツリヌス菌は、他の細菌とは違い耐熱性が高く、120℃で4分以上の高温加熱をすると死滅することが分かっています。
レトルト食品について、高温高圧で加熱殺菌する時間が条件として定められているのは、ボツリヌス菌を死滅させるのに必要な時間となっているからです。
レトルト食品は、さまざまな細菌が殺菌された、安心できる食品です。
レトルトパウチの仕組みとは?
レトルト食品は、専用のパウチに詰めた上で殺菌処理が行われます。
高温高圧の加熱処理する際に重要な役割を担っている、レトルトパウチの仕組みについても見ていきましょう。
どんな素材でできているのか?
レトルトパウチを含むレトルト食品の包装は、食品衛生法によって規格が定められています。
流通での過程の衝撃に耐えられ、かつ、食品の品質を保つには、基本的に次のような性能が必要です。
・安全性に適合している
・無味無臭である
・耐熱性が十分である
・防湿性や酸素遮断性に優れている
・ヒートシールにより完全密封できる
・強度が適合している
レトルトパウチは、内部に食品を入れたまま密封状態が作られる特殊な構造をしています。
高温高圧での加熱処理後も、無菌の状態を保てるのが特徴です。
一般的には、強度や遮断性を保つために、ナイロン・ポリエステル・アルミ箔・ポリプロピレンの4層構造になっています。
ただ、電子レンジ対応のレトルトパウチには、アルミが含まれていません。
アルミが含まれているレトルトパウチを電子レンジに使用すると、火花を発する場合があるからです。
最近では、電子レンジの使用可能なレトルト食品が販売していますが、アルミ素材は使用していません。
加熱によって内部の圧力が高くなると蒸気口が開く、一般的な物とは別の構造のレトルトパウチが使用されています。
レトルト食品の安全性
現在では、生活に欠かせない食品の一つとなっているのがレトルトの商品です。
安心して食べるためにも、安全な食品かどうかを理解しておく必要があります。
食中毒や腐敗のリスクはあるのか?
レトルト食品は、ボツリヌス菌が死滅する高温高圧での加熱処理が施されています。
食中毒を引き起こす細菌であるO-157やサルモネラ菌などはもちろん、毒性の強いボツリヌス菌も死滅しています。
加圧加熱処理によって安全性が保証された、安心して食べられる食品です。
ただ、常温での長期保存が可能なレトルト食品にも、賞味期限があります。
商品によっても異なりますが、レトルト食品の賞味期限は1~2年が目安となるため、賞味期限内に食べることを心がけましょう。
また、パウチの膨張や異臭がする場合は、パウチ内に雑菌が繁殖している可能性があり、食べるのは危険です。
まとめ
レトルト食品には、保存料や添加物などは一切使用されていません。
食中毒の原因となる細菌も殺菌されている、安心して食べられる食品です。
都給食でも、多くの企業が注目しているレトルト事業を展開し、魅力のある商品の開発に力をいれています。

1973年 京都府城陽市で創業
社員食堂の運営を通じて顧客の人財確保と福利厚生制度の充実に貢献。
「食文化の向上」を企業理念とし、給食を価値ある食事にしていき、深い信頼と絆でさらに長くお付き合い頂ける企業を目指す。
◆事業内容◆
事業所や厚生施設、官公庁の庁舎、研修所における社員食堂及び、大学や高等学校専門学校 の学生食堂を運営。中小企業(30~40人の小規模事業所等)の 社員食堂事業を新事業として展開。レトルト事業開始。
主な得意先:HILLTOP株式会社(京都府)、株式会社神戸製鋼所、京セラ株式会社、京都産業大学、学校法人履正社、キユーピー醸造株式会社、キリンビール株式会社、他多数
◆実績・メディア掲載◆
ダイアモンドオンライン HILLTOP株式会社(京都府)様 取材
大阪中小企業投資育成株式会社 投資先企業
近畿経済産業局 関西企業フロントラインNEXT 新事業展開成功事例として取り上げられる