健康経営が注目されていることもあり、多くの企業が導入している社員食堂。
食の福利厚生の一環である社員食堂は、従業員の健康管理や時間の有効利用、離職率の低下、さらに、企業のイメージアップにもつながる施策です。
工場には、社員食堂が必要なさまざまな理由があり、従業員の満足度はもちろん、企業価値も高められるでしょう。

ここでは、工場への社員食堂の導入を検討している企業に向けて、必要な理由や導入する際のポイントについて解説します。
社員食堂を導入するおすすめの方法についても説明するので、ぜひ参考にしてください。

工場に社員食堂は必要か?

工場で働いている人は長時間の勤務であることが多いので、必然的に休憩時間長めになってしまいます。1日2〜3食の食事を始業から終業までに食べることも珍しくないので、食事を取りやすい環境が必要となります。

しかし、「それならコンビニや飲食店が近くにあればいいんじゃないの?わざわざ食堂を用意してそこで食事するメリットなんてあるの?」と思っている人も多いかと思います。それではここで工場にコンビニや飲食店ではなく、社員食堂こそが必要である理由を見ていきましょう。

工場は郊外にあることが多く、飲食店・コンビニが少ない

工場の建設には大規模な土地が必要となることが多いため、ほとんどの工場は郊外に建てられることになります。

そのため、工場は住宅街や商店街から離れた位置にあることになります。そのような環境では買いに来たり食べに来る人は少ないので、必然的にコンビニや飲食店の数は少なく、休憩中に食事を調達しにいくのも一苦労となってしまいます。

以上の問題は、工場に社員食堂を設置すれば解決します。社員食堂さえあれば、従業員が休憩時間中に移動することもなく、豊富なメニューが用意されているので、リラックした楽しい気持ちで食事を取ることができます。

また工場に設置された社員食堂は自炊してくる人のことも考え、注文しなくても空いているスペースで自分の弁当を食べても良い、となっていることが多いのも特徴です。

休憩時間にお店に集中するので休憩時間が減

ひとつの工場で働く人の数はとても多く、また従業員の休憩は同じ時間に固まりやすいため、飲食店やコンビニが近くにあったとしても、工場勤めの従業員が一斉にお店に群がって混雑することになってしまい、せっかくの休憩時間なのにろくに休むことができない、なんていう事態になりかねません。

広めの社員食堂があれば混雑していて時間の無駄が多く、休憩時間が減ってしまう、といったような問題を解決することができます。食事を有意義に楽しむことができれば、従業員全体の生産性の向上を見込むこともできるので、経営の面から見てもメリットがあるといえるでしょう。

コンビニや決まったお店では栄養バランスが偏る

こちらは工場に限らず社会人なら皆当てはまることになりますが、コンビニで食事を取る場合、大抵毎回同じようなメニューばかりを食べることになってしまいます。

コンビニ弁当の多くは栄養バランがあまり考えられていなく、塩分やカロリー過多なので、毎日食べていると肥満や病気につながりやすいといった危険性もあります。

社員食堂であれば、栄養士が毎日働いてくれる従業員の健康のことを考えて、豊富な野菜を取り入れた栄養バランスの良い食事を多数考案し、メニューとして取り入れてくれているので、毎日食べても栄養が偏らないようになっています。

体力を使うので栄養管理が必要につながる

工場での仕事は、デスクワークとは違い身体を動かすため、体力が必要とされます。

健康維持や促進はもちろん、作業効率をアップするためにも、健康管理は重要な問題です。

ただ、外食やコンビニ食の多くは、塩分やカロリーが高くて栄養の偏りが気になり、毎日食べることで健康面が悪化する可能性があります。

栄養士が栄養バランスを考えたメニューを考案してくれる社員食堂があれば、栄養面でも安心で健康維持につながります。

職場環境をよくすると離職率の低下につながる

社員食堂は、会社を選ぶ際の大きなポイントにもなる、従業員に人気の高い福利厚生です。

社員食堂を導入している工場は、従業員をメインに考えている職場であり、働きやすい環境が整っていることがわかります。

安い価格で食事が摂れる社員食堂は、食費の負担を大幅に軽減できるところも魅力です。

職場環境が良ければ従業員のモチベーションも向上し、離職率の低下につながります。

工場に社員食堂を導入するメリット

工場に社員食堂があることで、従業員だけでなく、企業の経営の面においても多数のメリットがあります。ここでは従業員と経営においてどのような効果があるのかを紹介していきましょう。

休憩時間を有効に利用できる

工場付近に飲食店が少ない、または遠い距離に位置しているため、外食をする際に、移動するだけで多くの休憩時間を無駄にしてしまうことになります。

社員食堂は工場内に設置されるため、移動時間を極力まで減らすことができ、休憩時間の食事をリラックスして豊かな気持ちで楽しむことができ、それに合わせて同僚同士で会話を楽しむなど、有意義な時間を過ごすことができ、仕事のモチベーションがあがり、業務上の伝達もスムーズにおこなうことができます。

時間が有効に使えると作業効率が上がる

休憩時間を有意義に過ごすことによって、体力的に十分な休息をとることができるため、結果的に従業員全体の生産性が向上し、作業効率を上げることが期待できます。

また、時間に余裕ができるということは、繁忙期のような忙しい時期においても焦らずに仕事をおこないやすくなるため、ミスの数が減り、余計な作業を行わなくても良い、というメリットもあります。

工場職員に合わせたメニューを提案できる

メニューが決まり切っている飲食店やコンビニと違い、社員食堂は社員それぞれの好み、リクエストに答えたメニューを用意することが可能です。

たとえば体力を過剰に消費するようなハードワークが求められる作業が多い場合、カロリーが高めの肉料理などをメニューに多数用意しておけば、従業員の求める需要と合致して人気を博することでしょう。

そして、工場で働く人の都合に合わせたメニューを用意すれば結果的に不要なメニューが少なくなり、食材の廃棄なども少なくなり運営コストを削減できるというメリットもあります。

従業員の満足度があがり、離職率が下がる

社員食堂は福利厚生の中でも住宅・家賃補助と同様に非常に高い人気を誇っています。それもそのはず、食事は従業員全員に関わる問題であり、また社員食堂は全社員が利用できる場所であるため、社員食堂があって喜びこそすれ、困る人は誰もいないからです。

調査によると、社員食堂があることによって毎日の食事の楽しみが増え、安価で食事を食べることができるため、食費を大幅に節約することができ、職場の環境として社員食堂がある会社とそうでない会社では、従業員の満足度が大きく差がつく結果になっています。

離職率も社員食堂のある会社の方が低いという結果が出ていることから、貴重な労働力を失わないためにも、社員食堂の有無は重要な問題であることが分かると思います。

従業員のエンゲージメントが高まる

従業員のエンゲージメントとは、企業に対する従業員の愛着や貢献意欲の度合いを指します。単に給与や福利厚生に満足しているだけでなく、「自分の仕事が会社にとって重要である」と感じ、積極的に業務に取り組む姿勢を意味します。

エンゲージメントが高い従業員は、仕事への意欲が高く、生産性が向上し、企業の成長にも貢献します。反対に、エンゲージメントが低い場合は、仕事への関心が薄れ、離職率の上昇や業務効率の低下につながるリスクがあります。

社員食堂を設置することで、従業員が快適に働ける環境が整い、企業への帰属意識が高まるため、結果として生産性の向上や定着率の改善につながります。

工場に社員食堂を導入する際のポイント

工場に社員食堂を導入しても、従業員に満足してもらえなければ意味がありません。

工場に社員食堂を導入する際のポイントについて、事前に理解しておきましょう。

勤務形態への対応

工場は、24時間稼働しているところも多く、作業内容によって勤務形態が異なります。

夜勤がある工場では、夜間にも栄養バランスが整った食事を調達できるように、勤務形態に対応できる環境を整えることが大切です。

従業員のニーズを把握した上で、自社に合うサービスが提供できる社員食堂を導入しましょう。

栄養のあるメニュー作り

社員食堂は、栄養バランスが整った食事が食べられるところが大きなメリットです。

毎日利用しても飽きないように、季節やイベントも取り入れたバラエティー豊かなメニュー作りも大切です。

体力も必要な工場で働く人に合わせた、栄養士が考案したバランスの良いメニューを提供する必要があります。

衛生管理の徹底

社員食堂を導入するにあたって、衛生管理を徹底させるのはとても重要です。

不適切な食品の取り扱いや不衛生な環境は、従業員の健康を損ねるリスクはもちろん、企業のイメージダウンにも直結します。

厳格な衛生基準の元で、定期的なチェックを行う必要があることも理解しておきましょう。

作業服対応のスペースや汚れが目立ちにくい工夫など

製造業がメインの工場の仕事は、作業服を着用するケースがほとんどであり、汚れが気になるかもしれません。

作業服でも安心して食事が摂れるようなスペース、さらに、汚れが目立ちにくい環境を作る必要があります。

リラックスするための貴重な休憩時間を、気兼ねなく過ごせるスペースを導入しましょう。

工場に社員食堂を導入するには委託会社に依頼

工場に社員食堂を導入するには、委託会社に運営を依頼する外部委託方式を採用するのがおすすめです。

ここでは、委託会社に依頼することで得られるメリットについて、詳しく説明します。

経験豊富なプロによる運営と実績

委託会社では、多くの社員食堂を手掛けた経験豊富なプロによる運営がお任せできます。

従業員の要望を取り入れながら専門的なノウハウを取り入れた、満足度の高い社員食堂の導入が可能です。

コストはかかるものの、工場に合った社員食堂を効率良く運営してもらえます。

工場特有のメニュー開発が可能

満足できる食事を提供するには、働く従業員に合わせたメニューを提供するのも重要なポイントです。

委託会社に依頼すれば、専属の栄養士による工場特有のメニューを開発してもらえます。

従業員の健康を考えた工場ならではのメニューの提供で、飽きずに楽しみながら食事ができるところも魅力です。

衛生管理と食品安全の徹底

委託会社では、社員食堂の運営やメニューの提案だけでなく、衛生管理や清掃もまとめてお任せできます。

食品を扱う場では、安心安全な食事を提供するために、食材の仕入れから調理までそれぞれの段階で厳しく管理をしなくてはいけません。

法令に基づいた定期的なチェックなど、徹底した衛生管理を提供しています。

長期的なサポートが可能

委託会社では、社員食堂を導入してからも長期的なサポートを行っています。

定期的に訪問して要望を伺うなど、社員食堂をより良くするためのサポートに対応しているので安心です。

委託会社と工場側とで話し合いながら、満足度の高い社員食堂の運営が継続できます。

まとめ

工場に社員食堂があった方がいいという理由を連ねてみました。以上見てきたことから、一般的な職場と比べてみても、工場の方が社員食堂が設置されることの重要性がより高いことが分かっていただけたかと思います。

しかし現在の工場に社員食堂を新たに設置するにしても、用意できるスペースが無かったり、コスト面から十分な運営をおこなえる資金の余裕がないといった課題を抱えている企業も多いことかと思います。

そこで、現在では業務委託型の社員食堂運営や、出来合いのものを宅配してくれるといった業者が増えていて、現在の需要の高さも相まって低いコストで質の高い食事提供を実現することができています。

それぞれの工場の環境にふさわしい業者を自由に選択して契約することが可能なので、社員食堂の導入を考えている方は、まずは業務委託型の業者に相談してみることをおすすめします。