社員食堂を導入する場合に注意したいのが税務上での取り扱いです。

せっかく福利厚生として社員食堂を導入するのであれば、税務調査で会社側では源泉所得税の徴収漏れ、従業員側では給与認定を受けて追徴課税といったことにならないように注意する必要があります。
この記事では社員食堂を運営する上で知っておきたい税務知識についてまとめてみました。

社員食堂を導入するメリットは?

最初に社員食堂を導入するメリットを4つご紹介します。

社員同士のコミュニケーションの促進

社員食堂を導入するメリットの1つめはコミュニケーションが活発化することです。
日本の会社運営ではよくセクショナリズムが問題化されてきましたが、これにとらわれないアイデアの具現化や新しいビジネス創出の場として社員食堂が一役買うでしょう。

社員の健康管理と健康維持

社員食堂を導入するメリットの2つめは社員の健康管理ができることです。
1980年にアメリカの経営心理学者ロバート・ローゼン氏によって提唱されたヘルシーカンパニー思想により、企業が成長するには社員の健康に積極的に関与するのがよいという考え方が生まれました。

この考え方に基づいた献立作りに取り組む社員食堂は現在でも増加し続けています。

社員の定着率があがる

社員食堂を導入するメリットの3つめは社員の定着率が向上することです。
1つめのメリットであるコミュニケーションの活発化は社員同士の人間関係をよくし、悩みや問題の素早い解決につながることから離職率の低下にも寄与するでしょう。

条件を満たせば福利厚生費として節税につながる

社員食堂を導入するメリットの4つめは、条件を満たすことにより食事代が福利厚生費としてみなされ節税できることです。

食事代は本来社員が負担するものですが、健康的な食事を提供することが福利厚生サービスになるため、一定の条件を満たすと食事代が会社の必要経費として認められるという仕組みです。

給与課税の対象とならない社員食堂の費用

次に社員食堂を導入するメリットの節税対策についてもう少し詳しくみていきましょう。

給与課税の対象とならない2つの要件とその例

社員食堂の食事代が給与課税の対象とならない要件は次の2つです。

役員や社員が食事の価額の半分以上を負担していること

会社負担額が1か月当たり3,500円(税抜)以下であること

ここでの食事代の定義は食事の材料費や調味料など食事を作るために直接かかった費用の合計額を言います。

残業・宿直の食事代

残業または宿日直を行う時に食事を現物支給する場合、給与課税しなくてもよいことになっています。

具体的には宿日直の場合は、食事料を含む宿直料として1回あたり4,000円まで非課税となります。
ただし金銭での支給は課税対象となるため会社側で領収書の保管をする必要があるのです。
また朝型勤務の朝食の場合でも就業時間外の勤務のためこの考え方を適用することができます。

夜間勤務者の食事代

夜間勤務者に夜食の支給ができないために1食当たり300円(税抜)以下の金額を現金支給する場合を除き、補助をする全額が給与として課税されます。

会議などで支給される食事代

お客様と飲食店や仕出し弁当で食事しながらの打ち合わせ、会議といった時の食事代は「業務を円滑に行うための費用」であり社員に対する給与と見なされないため課税されません。

社員食堂の費用を給与課税の対象としないために

社員食堂を導入して費用を給与課税の対象としないためには、このように会社と社員の費用負担割合や会社の食事代の負担額に留意する必要があるのがおわかりいただけたのではないでしょうか。

食事代の計算は他の業者から仕入れた食材をそのまま提供する場合であれば簡単なのですが、社員食堂を運営するための人件費、水道光熱費などは含まれないため自社で運営する場合にはなかなか計算が難しくなると言えるでしょう。

外部の業者に委託することで1食あたりの費用がわかる

外部の業者に社員食堂の運営を委託する場合には、食事代は他から仕入れたものとして計算をするため、業者が提示した1食あたりの費用を食事代として計算できるというメリットがあります。

もし社員食堂を福利厚生として導入したいけれど、給与課税の対象としないための手続きがあまりにも煩雑すぎると感じたなら、外部業者への委託を選択肢に入れるのが望ましいでしょう。

外部委託することで様々な費用の相談ができる

社員食堂の運営を外部委託すると初期費用や運営費用など、税金以外にかかる費用について専門的な知識を持つ人に相談し意見を取り入れることが可能となります。
予算内で自社の社風に合った社員食堂を作ることは可能なのか、もし難しいなら予算のどこを削ればよいのかなど積極的にアドバイスを求めましょう。

まとめ

社員食堂を導入する際は、福利厚生として社員に喜んでもらえる施設にするためにも給与課税の対象とならないよう配慮する必要があるとわかりました。
ぜひ費用に詳しい専門家の知識も取り入れて、より自社に合った社員食堂作りを進めていってください。