福利厚生の一環として、社員が食事をする場所として設置する「社員食堂」。

社員の健康管理ができるようになり、生産性の向上にもつながるなどの多くのメリットがあり、導入する企業が増えています。

豊富なメニューが揃っている社員食堂は、毎日利用しても飽きないところも特徴の一つ。

さらに、どのメニューも栄養バランスを考えて作られているため、安心して食べられます。

ここでは、社員の健康を考えた満足できるメニューを提供するためにも、社員食堂の人気メニューのカロリーや、カロリーを抑える工夫をご紹介いたします。

社員食堂の人気メニューのカロリー

幅広いメニューを提供している、毎日利用しても飽きずに食べられる「社員食堂」。

多くのメニューの中でも、人気が高いメニューとそのカロリーの目安をご紹介します。

カレー

カロリーの目安:600~800kcal

カレーは、社員食堂の定番メニューとして、トップにも上げられるメニュー。

日本の国民食でもあり、カレーが嫌いという人はまずいないでしょう。

学校の給食でも取り入れられ、子供から大人まで、年齢に関係なく人気があるメニューの一つです。

カレーは、玉ねぎや人参などの野菜、たんぱく質が豊富な肉が使用され、栄養バランスも整った料理。

カレーライス(ポークカレー/ライスカレー)の一人前(約676.3g)のカロリーは799kcalで、主な栄養成分としては、タンパク質が21.17g、脂質が26.58g、炭水化物が128.77g含まれているとされています。

簡単に食べられて腹持ちが良いところも、人気の理由の一つでしょう。またカレーはポーク・チキン・ビーフ・エビなどの様々な具材やタイカレーやスリランカカレー、海軍カレー、キーマカレーなどバラエティがたくさんあるので飽きないところも人気の理由です。

どエビカレー

唐揚げ

カロリーの目安:1個あたり70~100kcal

唐揚げは、定食屋や居酒屋にも必ずある、食事としてもおつまみとしても人気のメニュー。

多くの唐揚げ専門店が存在し、唐揚げ専門のイベントなどが開催されていることからも、人気のほどが良くわかります。

また、コンビニのホットスナックのコーナーにも必ず並ぶ、手軽に食べられるスナックとしても人気。外はカリっと中はジューシーで食べ応えがありごはんが進むメニューです。

鶏肉はたんぱく質が豊富な食材で、副菜に野菜を添えた定食スタイルで食べれば、栄養バランスも問題ありません。

食べやすいサイズで、重すぎず満足感が得られるところも、人気の理由と言えるでしょう。

ハンバーグ

カロリーの目安:300~400kcal

ハンバーグは、子供にとっては一番のごちそうともいえる人気メニュー。

一般的な120gのハンバーグは約268kcalです。さらに、肉の種類や付け合わせ、ソースによってもカロリーは変わります。
例えば、牛ひき肉を使った100gのハンバーグは約216kcal、150gでは約324kcal、200gでは約432kcalとなります。

大人になってもハンバーグが好きな人は多く、ランチやディナーとしても定番です。

ファミリーレストランには、デミグラスソースや和風、煮込みなど、さまざまなスタイルのハンバーグがありどれも大人気。

サラダや温野菜などが添えられたスタイルがほとんどなので、野菜もしっかりと摂れて健康的な食事となります。

柔らかくて食べやすく満足感があり、贅沢感が味わえるところも魅力です。

ハンバーグは日本の家庭料理としても親しまれており、その親しみやすさが社員食堂でも人気の一因となっているでしょう。

麺類

カロリーの目安:
ラーメン400~600kcal
うどん250~400kcal
そば300~450kcal
パスタ400~700kcal

仕事で忙しい社員にとって麺類は嬉しいメニューでしょう。時間がなくても比較的短時間で調理・提供してくれるので選ぶ人も多いのではないでしょうか。
また値段が安いのも魅力と言えるでしょう。

麺類は、ラーメン、うどん、そば、パスタなど、種類が実に多彩。

また、ラーメンであれば、醤油味や味噌味、パスタであれば、ミートソースやペペローンチーノなど、バリエーションが豊富で飽きずに食べられる点でも人気です。

得にラーメンは、行列ができるほどの人気店が多数。

トッピングをプラスすれば、贅沢感や楽しみがあり、栄養バランスも整います。

つい食べたくなってしまうメニューでもあります。

うどん

とんかつなどの揚げ物

カロリーの目安:とんかつ1枚あたり400~500kcal 天ぷら1人前あたり200kcal前後

とんかつは、がっつりした食事を摂りたい時など、得に男性には人気のメニュー。

数ある揚げ物メニューの中でも、最も満足度が高いと言えるでしょう。

付け合わせにはキャベツ、さらに、みそ汁や漬物などが付くところも、満足できる理由の一つです。

また、天ぷらは、野菜や魚介類などさまざまな素材が使用されているため、栄養が摂れる点でも人気。

がっつり仕事をするための栄養補給としては、ぴったりのメニューです。

生姜焼きや焼肉

カロリーの目安:1人前あたり300~400kcal

生姜焼きや焼肉も、しっかりと食事を摂りたい時に人気のメニュー。

甘辛いタレも食欲がそそられ、ご飯との相性もバッチリです。

肉類は、低糖質で高たんぱく質の、身体を作るためには積極的に摂りたい素材。

サラダなどの副菜、汁物などが必ず付いた、定食スタイルで提供されるため、満足感が得られ、かつ、栄養バランスも整っています。

贅沢な気持ちにもなれる生姜焼きや焼肉は、とんかつなどの揚げ物と同様に、力を付けたい時にもおすすめです。

メニューカロリー目安(一人前)特徴
カレー780kcal 前後野菜・タンパク質が豊富でバラエティーが豊富で飽きない
唐揚げ1人前(30g3個)204kcalタンパク質が豊富で食べ応えがある
ハンバーグ1個(120g)268kcal柔らかくて食べやすく野菜などを添えて贅沢感を味わえる
麺類ラーメン 420〜600kcal
うどん  287kcal
そば   294kcal
パスタ  400~700kcal
時間がなくても食べられて手軽さが魅力
トッピングや材料のバリエーションが豊富
揚げ物とんかつ (ロース) 429kcal
とんかつ(ヒレ)379kcal
天ぷら 123kcal
がっつり食べられて満足感が得られる
付け合わせに野菜が多く、定食スタイルで人気
生姜焼き生姜焼き 357kcal低糖質高たんぱく質でご飯との相性がいい

社員食堂のカロリーを抑える工夫とは?

社員食堂の人気メニューのカロリーは、使用する素材や調味料、調理の方法などによっても違ってきます。

ただ、どのメニューも決してカロリーが低いものではありません。

健康管理をしながら満足感が得られるメニューを実現するためには、カロリーを抑える工夫をすることも必要です。

ここでは、ちょっとした工夫でカロリーが抑えられる、おすすめの方法をご紹介します。

一食当たりのカロリー計算をする(500~600kcal

一食当たりのカロリー計算をして、500~600kcalに抑えましょう。
成人が1日に必要なカロリーは、「基礎代謝量」×「身体活動レベル」で求めることができます。
例:体重が70kgの人は、1日に必要なカロリーは70×30~35=2100~2450kcal

成人男女が1日に必要なカロリーや糖質の目安を以下の表にまとめました。自分の性別や年齢、身体活動レベルに合わせて確認してみてください。

性別年齢身体活動レベル一日に必要なカロリー一日に必要な糖質
女性18~29歳低い1,700kcal255g
女性18~29歳ふつう以上2,000kcal300g
女性30~49歳低い1,750kcal263g
女性30~49歳ふつう以上2,050kcal308g
女性50~64歳低い1,650kcal248g
女性50~64歳ふつう以上1,950kcal293g
女性65~74歳低い1,550kcal233g
女性65~74歳ふつう以上1,850kcal278g
女性75歳以上低い1,400kcal210g
女性75歳以上ふつう以上1,650kcal248g
女性(妊婦)初期(付加量)
女性(妊婦)中期(付加量)
女性(妊婦)後期(付加量)
女性(授乳婦)(付加量)
男性18~29歳低い2,300kcal345g
男性18~29歳ふつう以上2,650kcal398g
男性30~49歳低い2,300kcal345g
男性30~49歳ふつう以上2,700kcal405g
男性50~64歳低い2,200kcal330g
男性50~64歳ふつう以上2,600kcal390g
男性65~74歳低い2,050kcal308g
男性65~74歳ふつう以上2,400kcal360g
男性75歳以上低い1,800kcal270g
男性75歳以上ふつう以上2,100kcal315g

農林水産省:一日に必要なエネルギー量と摂取の目安

最もカロリーが抑えられる方法が、余分な油脂をカットすること。

例えば、鶏肉の皮を取り除くだけでもカロリーが抑えられます。

また、焼いたり炒める際には、テフロン加工のフライパンなどを使う、揚げ物は衣を薄くつけ、油の吸収面を少なくするために、大きいサイズのまま揚げてからカットするなど、できるだけ油を取り除くような工夫をしましょう。

油脂は少量でも高カロリーですから、工夫次第でいくらでもカロリーダウンが実現できます。

定食スタイルにしてバランスを整える

食事の提供は、定食スタイルにしましょう。定食のカロリーは、主菜や副菜の種類や量によって大きく異なります。

一般的に、揚げ物や肉料理などの油分や糖質が多いものはカロリーが高く、野菜や魚料理などの水分やたんぱく質が多いものはカロリーが低いと言えます。

また、ご飯や味噌汁、漬物、サラダなどの付け合わせもカロリーに影響します。

ご飯の量を減らしたり、味噌汁やサラダを多めに摂ることでカロリーを抑えることができます。

主菜・副菜・汁物などがセットになった定食スタイルは、野菜が必ずついているため、栄養バランスが整えられます。

副菜は野菜や海藻、きのこなどを含み、食物繊維やカリウムの摂取源として重要ですので、副菜を増やすことで、満腹感を得つつカロリーを抑えることができます。

例えば、丼物や麺類などの単品メニューに、野菜のメニューをプラスしてセットにすれば、必然的に野菜が摂れます。

また、見た目の満足感も得られるため、ご飯や麺の量が少なめでも、物足りなさは感じません。

野菜を多くしてボリュームを加える

一品の料理に使用する野菜を多くして、ボリュームを出しましょう。

カロリーを抑えるために、使用する素材の量を減らしてしまうと、見た目のボリュームも少なくなり、満足感が得られないかもしれません。

でも、野菜の量を多くすれば、料理にボリュームが加わり、かつ、カロリーを抑えたメニューが実現できます。

野菜を多く取り入れることで食事のカロリーを抑える理由は

  • 満腹感を得られる:野菜は水分や食物繊維が多く含まれており、満腹感を与えてくれるので、食事全体のカロリーを抑えることができます
  • 野菜は低カロリーで栄養価が高い:野菜は低カロリーでありながら、ビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素を豊富に含んでいるので満足感を得ながらカロリーを抑えることができます
  • 代謝をサポートする栄養素:野菜に含まれるビタミンやミネラルは、体内の代謝作用に関わります。特にビタミンB群は炭水化物、たんぱく質、脂質の代謝に必要であり、体内のエネルギーの効率的な利用をサポートしてくれます

などがあります。

時間をかけてよく噛むようなメニューを取り入れる

じっくりと味わいながら食事をするように、時間をかけて良く噛むようなメニューを取り入れましょう。

時間をかけてよく嚙むことの健康上のメリットはいくつかあります。

  • 肥満予防:よく噛むと満腹感を得やすくなり、食べ過ぎを防ぐことができます
  • 脳の活性化:咀嚼による刺激で頭への血流が増え、脳が活性化し、食後の仕事へのいい影響が考えられます
  • 消化の促進:よく噛むことで唾液の分泌が促され、消化酵素が食べ物の消化を助けます
  • ストレス解消:噛む動作がストレス解消に役立つとされています

よく噛まないで食事を摂る早食いは、満腹中枢が刺激されて満腹を感じる前に多くの量を食べてしまうため、食べ過ぎになりがちです。

ゆっくりとよく噛んで食事をすると、いつもより少ない量でも満腹感を得やすく、食事のコントロールや脳などへのいい影響が考えられます。

まとめ

社員の健康管理や生産性の向上など、多くのメリットがある「社員食堂」。

一般的なレストランではカロリーが高くなりがちな人気メニューも、社員食堂があれば、カロリーを抑えながらも満足感が得られる食事が提供できます。

一食当たりのカロリー500~600kcalを目安に、栄養バランスを整えるために定食スタイルで提供をしましょう。

調理には野菜を多く使ってボリュームを出し、よく噛んでゆっくり食べられるメニューを取り入れることも大切です。