企業にとって人材確保や生産性向上が課題となる今、「健康経営」が注目されています。

健康経営とは、アメリカの臨床心理学者が提唱した「従業員の健康は会社の業績アップにつながる」という考え方のこと。企業が戦略的に従業員への健康投資をおこなうことで、従業員の活力向上や生産性向上をもたらし、結果的に企業の業績向上や離職者の減少、企業のイメージアップが期待できます。

しかしいざ健康経営を導入しようとしても、何から始めたらいいのかわからなくて悩んでいる方もいるのではないでしょうか?

  • 「初めて健康経営に取り組むのだが、何から始めたらいいのかわからない」
  • 「健康経営に取り組んだもののうまくいかない」

そこで今回は健康経営の始め方や具体的な施策、施策例である社員食堂にについて解説していきます。

健康経営を始めるには?ステップを紹介


最初に健康経営を始めるための5ステップを解説します。

健康経営をおこなうことを明文化する


健康経営は、健康経営をおこなうことを宣言・明文化することから始まります。

明文化とは企業トップが、健康経営を重要な経営課題の一つにすると発信すること。経営理念に基づき、具体的にどのような施策をおこなうのか発表します。

社内・社外の両方に伝えることで、健康経営が全社的な取り組みであることをアピールできます。

組織や部署を作る


次に、健康経営の施策を担当する組織や部署を作ります。既存の安全衛生委員会の組織が担当しない場合は、新たに担当者を任命する必要があります。
担当者に健康経営の知識や経験が少ない場合は、研修も必要です。
健康経営アドバイザーなど外部の人間の手を借りることで、より効果的な施策ができます。

施策の検討と計画作成


次に施策の検討と計画作成をおこないます。健康経営の施策は自社に合った内容でなければ意味がないため、まず健康診断の受診率や受診データ、ストレスチェックなどから、自社の社員の健康状況を把握。次にアンケートを取り、社員の健康への意識を調査します。

残業や休日出勤が多過ぎるなど、労働環境の問題点も洗い出しましょう。
必要な課題や改善すべきポイントは部署ごとに異なる場合もあるので、注意が必要です。

施策の実施


改善すべき課題が明らかになったら、具体的な施策を検討し、目標を設定。
さらにその目標を達成できるような計画を立てて、従業員に告知します。

具体的な施策例として、

  • ノー残業デーを作って、従業員のオフの充実を図る
  • 健康セミナーを開いて、社員の健康意識を高める
  • 社内に運動ができる施設を作り、無理のない運動習慣を作る

などが挙げられます。

経過の分析


施策を開始したら、次のような視点で一定期間ごとの取り込みの効果を検証しましょう。
具体的には社員がどのぐらい取り込んだのか、結果はどうだったのかの2点をチェックし、必要なら新しい計画を立てることも検討します。

健康経営の目的は、業績向上や企業のイメージアップ、離職率の減少です。
しかし健康経営の効果は、一朝一夕にあらわれるものではありません。
具体的な効果を実感するには、長い時間がかかることが多いです。

まず会社に合った注力分野を決定し、単年度目標と中期目標を設定。
立案【Plan】→実施【Do】→効果検証【Check】→対策立案【Action】のPDCAサイクルで、具体的に進めていきましょう。

健康経営の施策とは


健康経営の施策範囲は、食生活改善や禁煙支援、運動習慣支援などの健康支援から、
残業時間の削減、有給の取得支援、メンタルサポートまで多岐にわたります。

健康診断の促進


健康診断は労働安全衛生法などで規定された、企業の義務です。

しかし「従業員がなかなか健康診断を受けてくれない」と悩む人事担当者が多いのではないでしょうか?


健康診断の促進のための施策として

  • 健康診断の受診を就業規則に入れる
  • 健康診断の費用は会社負担で、無料であることを伝える
  • 健康セミナーを開いて、健康診断のメリットを教える
  • 病気は早期発見なら、短期間の治療で済むことを伝える
  • 万が一病気が見つかっても最大限のサポートをすると約束する
  • 健康診断の結果は人事に影響しないことを伝える
  • 仕事が忙しい社員も受診しやすい環境を整える

などがあります。

また健康診断の結果は、社員の健康づくりの起点として利用しましょう

労働環境の改善


働き方改革やコロナ過のリモートワークで、柔軟な働き方を支えるオフィスづくりが求められています。
決まった場所で働くのではなく、その日の気分や目的によって働く場所を変えられるように、テーブル席やソファ・リクライニング機能付きのチェアなど多様な執務スペースを用意しましょう。

高さ調節が可能なデスク・チェアや仮眠スペースを取り入れるなど、従業員の身体的な負担をできるだけ減らすこともおすすめします。

福利厚生サービスの導入


福利厚生は給与面と同じくらい、求職者が注目するポイントです。
ヘルシーで美味しい食事を安価で提供する社員食堂など福利厚生が充実した会社は、従業員を大切にしている会社とみなされ、内外共に評価が高まります。

社員食堂で始める健康経営の施策例


健康経営を成功させるには、社員を心身ともに健康に導く必要があります。

そのために有効な健康経営が、社員食堂の設置です。

日々仕事にプライベートに忙しい社員は、ついつい食生活が乱れがちです。社員食堂の献立を従業員の健康に配慮したヘルシーな食事にすれば、社員は会社にいながら簡単に健康管理ができるようになります。

以下で、社員食堂における健康経営の施策例をご紹介します。

味を追及しつつ栄養バランスのいいメニュー作成


ある会社では、味を追求しつつ栄養バランスのいいメニュー作成に取り組みました。いくら健康に良くても、味が美味しくなければ社員は利用しないからです。

外食と遜色ない美味しさで、低糖質・低カロリーの栄養バランスの良い食事を提供したところ、集客に成功しました。
社員食堂が充実している会社は華やかなイメージがあるので、外部との商談などにも良い影響が期待できます。

メニューのデータ分析・栄養表示の可視化

社内ツールで提供するメニューの栄養価をデータ表示することで、ヘルシー志向の社員や健康上の理由でカロリーが気になる社員を集客した事例もあります。

カロリー表示だけでなく、糖質、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルなどの含有量を栄養素シートとして図示すれば、栄養素の知識がない人でも自分の体調や体質に合った食事を選択できます。

社員はその日の体調や目的で食事を選べるので、肥満や病気を未然に防ぐことも期待できます。

ヘルシーメニューの試食会

社員食堂のメニューを実際に体験してもらうために、ヘルシーメニューの試食会を開いた事例もあります。カロリー当てゲームなど、楽しく健康について学べる機会も設けました。
社員は味・サービスの内容を実際に目で見て確認できるので、魅力的なサービスなら利用率がぐっと上がります。

自販機のメニューを健康的なものにする

自販機のドリンクメニューを「無糖コーヒー」「低脂肪・抵糖飲料」「お茶・水」をメインにした施策例もあります。

選択肢のすべてが健康的なものなら、自動的にカロリーや糖分・脂質カットにつながります。

まとめ

「健康経営をしたいけれど何から始めたらいいのかわからない」という方には、社員が美味しく食事をしながら健康になれる社員食堂の設置をおすすめします。

病気を未然に防ぐには健康的な食事が不可欠であり、社員食堂を設置すれば社内で従業員の健康管理がしやすくなるからです。

健康的かつ美味しいメニューを安価で提供し、カフェ風インテリアなど雰囲気も良くすれば、社員食堂の利用率は自然と上がるでしょう。

そんな健康経営に役立つ社員食堂ですが、設置にはコストがかかります。

自社に社員食堂づくりのノウハウがない場合は、社員食堂のプロであるアウトソーシング会社に相談するのも一つの手です。

アウトソーシング会社は魅力的な社員食堂づくりの豊富なノウハウを持っており、できるだけ費用を抑えた上で自社に合った社員食堂をトータルで提案してくれます。